近年、全国的にその個体数を急激に増加させたカワウは、河川・湖沼において漁業権魚種を大量に捕食することから、内水面の生態系に重大な影響を与えるとともに、魚族の減少と釣果の低下による組合員の減少、併せて遊漁者の減少による漁協経営の悪化等深刻な影響を及ぼしています。さらに,広島県では,特産の錦鯉の養殖においても被害がでています。
 又、内水面漁業被害だけでなく、海面でも,放流された稚魚の食害やコロニーやねぐらを形成された地域では、樹木の枯死、悪臭等、地域の生活環境に影響がでるなど大きな問題となっています。
  内水面漁連では,平成18年度から,カワウ被害防除事業を実施するとともに,生息状況などの基礎調査も実施しています。
広島県内水面漁業協同組合連合会
  広島の内水面
カワウ対策














年度別カワウ駆除・防除実績

年度 参加漁協数 作業回数 人数 駆除羽数 追い払い羽数
26 14 364   1,046  420 26  523  1,410 
25  14 474   1,124  426 27  487  2,672 
H24 15  386  869  339 16 408  4,414
H23 16 323 833 292 23 391 2,537
H22 16 269 908 270 23 462 3,621
H21 14 240 870 342 25 309 3,166
H20 15 223 844 345 28 655 3,881
H19 10 122 423 146 7 312 1,552
H18 9 106 443 85 7 155 1,629

瀬戸池のカワウの状況

福山市の瀬戸池は,県内最大のカワウの「コロニー・ねぐら」で,ドライアイス投入,テープ張り・花火追払いなどの防除対策を,平成22・23年度重点的に実施しました。
平成25年3月に,現地調査を行ったところ,カワウ飛来,コロニーが全く無いことが確認されました。
今後も,継続して状況の把握に努めてまいります。

 対策実施前の状況(平成23年3月30日)









 対策実施後の状況(平成25年3月11日)









カワウ対策協議会
海域,河川域に広範囲に飛来し,生息・繁殖が拡大し,様々な被害,影響が顕著になっているカワウについて,基本的な知識・情報の共有化を図るとともに,今後の取り組みについて,意見交換を行い,広島県のカワウ対策を総合的に推進するために,カワウ対策協議会を,広島県,県漁連と共催で開催しました。
日時  平成23年9月22日(木) 13時〜16時30分
場所  鯉城会館 サファイア
出席者 
行政    中国四国地方環境事務所,広島県自然環境課・水産課,農林水産事務所,安芸太田町,北広島町,安芸高田市,
       府中町,広島市,大竹市,廿日市市,呉市,江田島市,東広島市,竹原市,大崎上島町,三原市,世羅町,庄原市
関係団体 日本鳥類保護連盟広島県支部,広島県猟友会
漁業団体(海面漁協)  くば,阿多田島,大野,宮島,地御前,美能,大原,深江,大柿町,東江,江田島,切串,広島市,大河,
       仁保,早瀬,倉橋西部,倉橋島,下蒲刈町,安浦,呉豊島,大崎上島,大崎内浦,安芸津,芸南,尾道東,浦島,県漁連
      (内水面漁協)木野川,三段峡,太田川上流,水内川,太田川,三篠川,広島市内水面,可愛川,江の川,神之瀬川,
       西城川,田総川,芦田川上流,芦田川府中,福山市芦田川,内水面漁連                (合計121名)

 講演会
  演題 カワウに立ち向かう〜基礎から実践へ〜
  講師 長岡技術科学大学 助教 山本麻希(日本水産資源保護協会派遣)
 
 意見交換会(県内市町アンケート結果一覧)
  テーマ カワウの飛来・生息情報
       カワウ対策の取り組み・課題
       今後の対応・対策




瀬戸池カワウコロニー ドライアイス投入作業

県下最大のカワウコロニーで,3月のリンロンテープ張りに続き,産卵営巣状態に入った巣に,ドライアイスの投入作業を行いました。

《第2回》
【実施状況】
 ・日時: 平成23年4月8日
 ・作業者:福山市芦田川漁協役員7名 内水面漁連1名
 ・使用機材:第1回と同じ
 ・処理数:巣30個,卵90個
 ・リンロンテープの樹木には営巣が認められなかった。
  
ドライアイスの投入状況をミラーで確認
コロニー(巣)の上空を旋回するカワウの集団
瀬戸池コロニーの全景,44個の巣にドライアイス投入


《第1回
【実施状況】
 ・日時 平成23年3月31日
 ・作業者:福山市芦田川漁協役員8名,内水面漁連2名
 ・使用機材:ドライアシス投入機2本,ミラー1本,アルミ梯子1台,脚立1台,ドライアイス6ミリペレット10kg
 ・処理数:巣 44個,卵 145個
 ・3月4日にリンロンテープを張った樹木6本については,産卵はされていませんでした。
  4月8日には,事後調査を兼ねて再度補完作業を行う予定です。
  



瀬戸池カワウコロニー リンロン生分解性テープ張り作業
県下最大のカワウコロニー(150個)の瀬戸池で,繁殖期を前に,繁殖抑制のためのリンロン生分解性のテープ張り作業を行いました。
瀬戸池は現在,潅水中で池中央の樹木6本(30巣)にテープ張りを行い,池の岸側樹木へ営巣を集めるねらいで作業を行いました。
テープはテラマック製(生分解性樹脂:東工コーセン発売,松浦産業提供)で,約250mを使用し,全体で10本のテープを張りつけました。
3月5日の現場観察では,テープ設置の樹木には,1羽も留まっていないことが確認され,効果が認められています。
コロニー全体では,今のところ,産卵は認められていませんが,今後,営巣状態に入ったら,ドライアイス投入による,
孵化抑制作業を行う予定でいます。
日時    平成23年3月4日 11時〜12時30分
作業者   福山市芦田川漁協 桑田組合長他3  内水面漁連 崎長,大原




カワウ情報

【廿日市市宮島】
広島県西部農林水産事務所 鎌倉専門員からカワウ情報をいただきました。
撮影日:平成23年3月1日17時頃
場所:  廿日市市宮島町沖(聖崎付近)
夕方になると,20〜30羽の群れが,陸地部から聖崎へ帰っていく状況が確認されます。
聖崎は前からネグラとなっていますが,コロニー化していないか確認が必要と考えられます。




【呉市音戸町】
呉市音戸町田原漁業協同組合 好川組合長からカワウ情報をいただきました。
撮影日 平成22年12月28日12時頃
場所   呉市音戸町田原
好川組合長からは,同じ音戸町の三子島には,ねぐら,コロニーがあるとの情報もいただいています。

カワウの生息,飛来範囲は海域まで拡大しています。海面も含めて連携した広域的な対策が必要です。








カラーリング装着カワウの捕獲情報

カワウコロニー ドライアイス処理結果
昨年のカワウ被害防除技術講習会で習得した技術を元に,ドライアイス防除作業を行いました。


カワウ被害防除技術講習会概要
 
開催月日 平成21年5月15日
 開催場所 @講演  福山市三吉町 広島県福山庁舎会議室
        A現地実践技術講習 福山市瀬戸町 瀬戸池
 講師    山梨県水産技術センター 坪井潤一研究員 

講演:カワウ漁業被害防止の取り組み〜餌場での追い払いとコロニー管理〜 
    @カワウ対策のコンセプト:Think globally(広域的な視点でカワウ個体群をとらえ
                     Act locally(自分の漁場で,できることから実践する)
    A山梨県カワウ保護管理指針:モニタリング調査,被害は放流から解禁までのアユのみ
                        春だけ,全力で頑張る,放流場所では漁協が追い払い,捕獲
                        コロニーでは県が繁殖抑制,新規コロニーの早期発見,除去
    B山梨県の対策:モニタリング調査,捕獲,飛来(被害)防止対策,コロニー管理
    Cモニタリング:毎月20日,県内10定点で漁協組合員が調査ー最新情報の共有
              対策の成果,魚類資源量の減少,長期的な個体変動の把握
    D捕獲:越境飛来をブッロク,年間100羽駆除(一羽5000円買取)
         釣り針(流し針)捕獲(最近5年間で50羽),大量捕獲はできないが,常連(居付き)の個体を捕獲
    E飛来防止対策: 手を変え品を変え行う。(隠れ場づくり,ロケット,威嚇グッズ,キラキラペットボトル
                                       テグス張り,防鳥テープ張り,案山子着せ替え)
    F追い払い:方向性を持った追い払い:上流から確実に下流へ
    Gコロニー管理:新規コロニーは早期発見,除去,西日本のため池は要注意
    H山梨県被害状況算定:食害額(胃内容物より)630万円,被害抑制額398万円

     
≪まとめ≫
      持続可能な体制と対策
      モニタリング調査:広域的,定期的,画一的
      捕獲        :ルール厳守で計画的
      飛来防止対策  :場所と時期を限定,手を替え品を替え
      コロニー管理  :早期発見,早期除去,既存のコロニーで繁殖抑制
                      
現地実践技術講習:偽卵置き換え法,ドライアイス凍結法によるふ化抑制








平成20年度カワウ基礎調査結果


広島湾宮島聖崎カワウねぐら(平成21年7月10日)
推定羽数 50〜100羽      
広島県水産課提供



広島湾峠島カワウのねぐら・コロニー(平成21年6月11日) 
推定羽数 400〜500羽
          
広島県水産課提供


福山市瀬戸池のねぐら(平成21年4月10日)
生息数約400羽,営巣数約100個



白島(太田川)ねぐら       
     平成19年6月                  平成18年10月     



安芸高田市土師ダムねぐら      平成20年1月

 


広島市中区本川空鞘橋上流     平成20年11月





平成20年度中国ブッロクカワウ生息情報