内水面漁業振興計画

内水面漁業の振興と漁業経営の安定化を図るため,今後5年間を計画期間とする、 内水面漁業振興計画を平成20年度通常総会で承認を得て策定いたしました。
計画の推進に当たって、皆様のご理解とご協力をお願い申し上げます。

・計画の策定について

計画の趣旨
広島県の内水面漁業は、社会的、自然的な環境が激変する中、厳しい現状にあります。特に漁協経営においては、組合員の減少や高齢化の進行、
遊漁料収入の減少、増殖経費のコスト上昇など構造的な問題を抱えています。
こうした中、広島県の内水面漁業の振興と漁業経営の安定化を図るための基本的な推進計画を策定しました。
推進方針
本計画は、広島県内水面漁連の中期事業計画並びに会員漁協の事業推進指針と位置づけ、互いに連携して推進してまいります。
また、計画の実施に当たっては、広島県など関係機関の指導、協力並びに支援を要請してまいります。

・現状

外的要因
 ・河川環境の悪化
  (水量の減少,河川の遮断物の設置,河床の平坦化等)
 ・河川の生物循環の崩壊
  (付着藻類の悪化,水生生物の減少,生産力低下等)
 ・アユ冷水病の発生
 ・ブラックバス・カワウ等による食害
 ・コイヘルペスウイルス病(KHV)の発生
 ・伝統的魚食文化の衰退
内的要因
・組合員の高齢化・減少
・遊漁者の減少
・漁協収入の減少
・地域とのつながりの希薄化

・課題

  • 内水面漁業資源の回復
  • 県民の川づくり
  • 漁協経営の安定化

・対策

  • 水産資源再生対策
  • 河川環境再生対策
  • 漁協・漁業経営基盤強化対策

・取り組み事項(水産資源再生対策)

天然資源の復活
 アユ:親魚放流、ダム湖資源の活用、堰の運用調整
 マス:保護区(産卵場所、天然群)
その他:産卵床(巣)造成、受精卵・稚魚移植
種苗放流の改善
 放流魚種の評価 
 放流量の見直し
 放流方法の見直し
外来魚の駆除
 総合対策の推進 
 稚魚駆除(ため池,ダム)
 成魚駆除(河川)
 再放流禁止(委員会指示,持ち帰り)
 食材(料理)活用普及
カワウ等被害の防除
 個別対策:駆除防除
 広域対策:広域連携
冷水病等の発生防止
 人工産アユの安定供給
 耐病性アユの導入
 保菌検査

・取り組み事項(河川環境再生対策)

魚のすみやすい川づくり
 ハード:魚道(水辺の小わざ)、河床改善、作澪
 ソフト:流量調整、濁水防止、行政機関等との連携
親しみのもてる川づくり
 水辺で遊べる環境づくり(護岸改善)
 釣り専用区(C&R)・河川釣堀
 特区の設定(子ども専用区)
 内水面のPR
河川環境の保全啓発
 森・川・海の連携:植樹活動
 森林トラスト
市町・市民団体との連携
 イベント開催 共同作業参画促進
漁場環境の把握
 漁場評価
 餌料・生息環境の把握
 市民団体との連携

・取り組み事項(漁協・漁業経営基盤強化対策)

漁協組織の見直し
 漁協合併 
 事務統合
経営の効率化
 事務の共通化
内水面漁業・遊漁の底辺拡大
 組合員加入促進
 新規遊漁者の獲得
 遊漁利便性向上(共通遊漁券販売) 
 漁法の承継促進
消費拡大
 魚食普及
 地元飲食店との連携
 流通供給体制の確立